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バンクーバーのリタイアメントレジデンス

今週の日曜日、Kさん御夫妻を訪ねて、リタイアメントレジデンスに行きました。
Kさん御夫妻は、90代と80代ですが、すぐ近くのコンドミニアムから引っ越したばかり。
お二人共、まだまだお元気なのですが、緊急の時に備えて、リタイメントレジデンスに移ることに決めたそうです。

約束の時間より少し早く着いて、周囲を見て回りました。場所は、West Vancouverという高級住宅地、パークロイヤルという交通の要所からも近いので、バンクーバーのダウンタウンから15~30分位で行くことができます。
お天気が良い午後でしたが、通りに人気は少なくとても閑静なところ。レジデンスの正面玄関と反対側の通りにケアハウスがあり、ケアが必要になればここに移る事ができるそうです。駐車場の傍には教会があり、日曜日には礼拝に行くのも便利だとか。またその通りをはさんで、ローンボウリング場(※)があり、夏のような陽射しの中で大勢の人達がゲームに興じていました。
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約束の時間になり、レジデントの玄関の中に入りました。オートロックの方式は普通のコンドミニアムと同じです。中に入ると90代の御主人がロビーで出迎えてくれました。ロビーも廊下も豪華なホテルのようですが、人影がほとんどありません。
御夫妻の部屋に入ると、広いフルキッチンが付いた2ベッドルームの豪華なコンドミニアムと同じ。広さも90㎡、2人で暮すには充分な広さです。
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居間に通され、お部屋を見回すと、以前住んでいたコンドミニアムの家具や調度類がいくつか置かれ、高齢者の施設という感じは全くありません。広いバスルームには、以前のお住まいと同じシャワーカーテンがかけられ、生活の雰囲気が変わらないように心がけているのが感じられました。

日はまだ高いのに、いつの間にか夕方の時間になり、私達は夕食に招かれました。御夫妻は普段レジデンスのダイニングでお食事をとるのですが、その日私達を招いて下さったレストランは、クルマで数分行ったところの海辺にありました。窓から人々が海岸で楽しんでいる光景が見える、ゆったりとした雰囲気のレストランです。
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メニューの中から、私はブイヤーベースと白ワインを選びました。きれいな海を眺めながらの楽しいお食事が終る頃、日が長いバンクーバーも薄暗くなり、外は肌寒くなってきました。この地域は、私達が住むダウンタウンより数度は気温が低く、夏でも日が暮れるとコートが必要になるそうです。
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2006年、カナダに移住した年の春、日系のケアハウスの見学会に参加しましたが、後で考えればその施設は、資産のある人は入所できない簡素な施設だったのです。それでも60㎡もある1ベッドルームのユニットには、適当な広さの台所やバスルーム・ランドリーなどが備わっていて、日本の老人施設から比べれば、比較にならないほど快適な住まいに思えたのです。
今回のレジデンスは、とても豪華な高齢者住宅でした。因みに2人の月々のコストは、昼食と夕食がついて7,000ドル(約63万円)。入所一時金はなく、普通のアパートと同じ半月分の保証金が必要ですが、退室時には基本的に返金されるそうです。

このレジデンスを訪問して最も印象的な光景は、夕食時のダイニングルームの様子でした。私達が夕方レジデンスを後にするとき、食堂では既に夕食が始まっていました。高級ホテルのダイニングと思えるような雰囲気で、高齢者はそれぞれきちんと身なりを整えて、小さなグループを作って談笑しながら食事を楽しんでいました。クルーズの時のドレスコードという言葉を思い出したのですが、このレジデンスにもドレスコードがあったのです。そのためなのでしょうか。後でこのレジデンスの入居者の平均年齢が87歳と知ってびっくりするほど、皆若々しく見えたのです。高齢になっても、というより高齢だからこそ、身奇麗にしていることが大事なのだと思いました。

※ローンボーリング(Lawn bowling): 偏心球のボールを芝生の上に転がし、目標球のそばにどれほど近づけられるか競う球技。イギリス発祥のスポーツで、ボウリングの前身でもあり、オーストラリア・カナダ・ニュージーランドなどコモンウェルズ諸国で人気がある。適度な運動量であるため、高齢者や障害者にも親しまれている。
by amtask | 2010-06-19 16:12 | Comments(2)
Commented by rabbitjump at 2010-06-19 19:45
安心して住むことができるのは良いですね。
先日の新聞で日本も最初の入所金が不要のところも
出てきたようですがとにかく最初の入居金が高いです。
退室時に戻ってくるのもありがたいことですね。
カナダの土地柄でしょうが、広いゆったりしたスペースも魅力です。
うらやましい限りです。
‘高齢になってからこそ身奇麗に・・・本当にそう思います。
大事なことの一つですね。

Commented by amtask at 2010-06-20 03:07 x
rabbitさん
思い出したのですが、2004年舅を有料の施設にお願いした時、
状況から考えて入所金のないところを探したのですが、ありました。でも月額の費用はかなり割高でした。
私が訪ねたのは、高齢でも一応自立している方の住宅でしたが、
ドレスコードがあるのには、ちょっとびっくりしました。
身支度を整える、身奇麗にするということ、特に高齢になってからの方が大事なのでしょうね。こちらで化粧して赤い口紅を使っている人、ほとんどがおばあさんです。
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