この9月カナダに移住して9年、2回目のAnnual Health Check Up(健康診断)を受けました。
私達には6年前から、ファミリードクターがいますが、昨年9月、初めてカナダで定期検診を受けました。その前の数年間は、日本に戻った時、世田谷区の年に一度の健康診断を受けていたからです。 今年も9月の初旬、ファミリードクターと面談し、近況を伝え、それに基く必要項目にチェックを入れた受診票が手渡されました。バンクーバー市内にいくつかあるLife labs(検査するところ)の中から、自分の家から近い所を選んで、受診票を持っていけば、検査を受けることができます。 受診項目は人によって違います。因みに夫と共通しているのは、血液検査・尿の検査・検便でした。 昨年の私のLife labs における検査項目は、なぜか血液検査だけでした。 ドクターとの面談では、最近の体調とか、生活の変化、近親者の病気などついて話し合いました。 昨年は検査後、ドクターから血糖値が少し高めなので、糖質のものは控えるようにと注意されました。 それが今年、Life labs に行って検査を受けた後、すぐドクターから呼び出しがかかったのです。問題なければ、連絡がないはずの呼び出しにびっくり‼ 更にそれに前後してドクターの事務所のスタッフから、消化器系のスペシャリストと面談するようにと、電話があり、再び驚いたのです。 指定された日、緊張してスペシャリストを訪ねると、スペシャリストの医師(若くてきれいな女医さん)は、簡単な質問のあと、「姉が大腸ガンにかかった時、彼女は何歳でしたか?」と尋ねました。その時点での姉の年齢が若くないと知って、「それなら問題ないでしょう」ということで、この質問が、この面談で最重要だったことがわかりました。昨年、ファミリードクターとの面談で、家族歴として、姉の大腸ガンについて報告したので、それが問題になったようです。 数日後、ファミリードクタ-を訪ねたところ、今年の検査結果は、昨年よりまた少し血糖値が上がっているので、糖質のものを控えるようにと再び注意されました。それをきいて、拍子抜けしましたが、ほっとしたのです。というのは、緊急でなければ呼び出されないはずと、かなり緊張していたからです。 また、スペシャリストとの面談について、私の周囲の人々の間で、「スペシャリストの予約を取るのが大変、取れても待たされる」と言われているのを、きいていたので、私の場合、よほど緊急の事かと心配だったのです。 いずれにしても、命の別状がない場合は、待たされるのが普通ですが、特定の病気(主に最近増えているガン・糖尿病など)については、政府はとても神経質になっているのだと思います。私の場合、姉の大腸ガンという家族歴、そして糖尿病の予備軍として考えられていたからでしょう。 因みに日本とは数値の単位が違うので、日本の数値に換算してみると、血糖値に関する2つの数値のうち、1つは日本もカナダでもOK、他の数値は日本でギリギリセーフ、カナダでは基準値を少し超えていました。 結局、今回の事から、ある特定の病気に関して、家族歴を重要視し、肉親が若い時に罹ったとわかると、特別に注意を払ってくれることが推察できます。 そして、もう一つ気が付いたことがあります。受診票は大人の場合は皆共通なようですが、検便については、年齢が50歳~74歳に限定されていて、75歳以上になると検査項目から外されるのです。 勿論、自覚症状があれば75歳以上でも検査・治療は受けられるはずで、命に関わる病気の可能性があれば、誰でも優先的に「即入院」となるのですが。 ある友人が、カナダでは医療費は無料なので、予算の関係で、どうしても若い世代の方に手厚くなるのだと言っていたのを思い出しました。 国は、高齢になれば、検査は最小限にし、どこか具合が悪くなったら検査・治療を考えているのでしょう。予算が足りないのは日本も同じですが、カナダでは検査・治療・手術・入院は無料(薬代は有料、所得によって増額)ですが、保険料は年々上昇し、9年間の間に。30%位上昇しています。限られた予算の中で、集めた保険料をどう使うか、これからカナダを担う若い人優先なのは、仕方がないのかもしれません。 しかし高齢になっても、検査し治療し、早く元気を取り戻したい高齢者もいるはずです。今のカナダでは、待ついことが嫌な人はPrivate Clinic で検査を受けることができますが、その費用は日本の数倍はかかります。 また病気でなくても、日本に一時帰国したついでに、人間ドッグに入って検査を受ける人もいます。病気になってしまった場合は、カナダで無料の治療が受けられますが、アメリカか日本で、よりよい治療を受けるという選択肢もあります。最近、高齢になり、日本に戻って老後を迎えたいという日本人が増えているようです。、言葉の問題の他、カナダの医療システムが若い世代に手厚くなった結果、高齢者が待たされることになって、日本に戻りたくなってしまうのでしょう。 今年の健康診断を受けて、カナダの医療事情を少し垣間見た気がしました。
by amtask
| 2015-10-08 10:37
| ◎ ひとり言
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Comments(6)
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rabbitjump at 2015-10-08 21:43
どこの国での同じでしょうか、
薬など財政に負担が大きくのしかかるようで、 血圧も幅が大きく変化しました。 健康診断は大事ですね、 ガンで亡くなられる人が多く、、 今年もそろそろ受けないとと思っています。 ↓カナダというと黄葉が、と思いますが、 紅葉もとてもきれいで見事ですね。 私もヨットが好きです。 amtaskさんのお元気そうなお姿、嬉しいです。 スーパームーン、日本でも見ることが出来ました。 同じ月を見ていたかと思うと心弾みます。
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amtask at 2015-10-09 02:49
rabbitさん
おはようございます。 どこの国でも、すべて平等という訳にはいかないようですね。 日本の基準値が緩くなったのも、財政難が原因だったのですか? 私自身は、検査が好きではなく、できれば受けたくないのですが、 予防するためには必要なのでしょうね。 紅葉は赤から始まって、黄色になっていきます。 カナダの東の方は、赤い紅葉で有名ですが、 バンクーバーは黄色が主体、今とてもきれいです。 スーパームーン、月食も同時に見られたそうで、 友人から、月食の写真見せてもらいました。 事前に知っていれば、外に出てみたのに、残念です。 日本でも見られたのでしょうか?
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semineo at 2015-10-10 00:07
こんばんは
カナダも紅葉の季節になり美しい景色ですね。 健康診断ではドクターが、家族の病歴もきちんと把握して、 面談してくれるのは日本と違って、有難い事ですね。 私も親や祖父母の病歴は気になりますが・・・・ カナダは検査や手術・入院が無料とは素晴らしいですが、 でもそれだけ保険料が高いという事ですね。 日本も保険料は高いと感じていますが、万が一の時は助かる筈と信じています。 お互い健康で過ごせるようにしましょうね
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amtask at 2015-10-10 01:31
semineo様
おはようございます。 こちらは、そろそろ晩秋という感じで黄色い楓の紅葉が ハッとするほどきれいです。 私達には幸にファミリードクターがいるので、 丁寧に健康管理してもらえているようです。 保険料は、所得によりますが、我家の場合、一昨年まで両方払っていましたが、 カナダの方は日本の半分ぐらいでした。 それだけに、薬代を除く治療代がすべてただになるので、 必要度の応じて待たされたりするようです。 でも自分で健康管理しなくてはならないのは、どこも同じですね。
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はっちゃん
at 2015-10-10 20:18
x
以前、カナダの医療事情お聞きして、日本とはかなり違うと思いましたが・・・
医師の考え方、診察を受ける方の考え方、それぞれ違いがあるものですね。 もちろん、国の方針に基づくのでしょうけど。 日本の医療事情も高齢者が多くなって、いろいろ変わってきているようです。 やはり毎年基本的な検診は受けた方が良いのでしょうね。 だんだん高齢者の仲間入りで、もう検査は良いかしら?なんて考えちゃいます(@_@)
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amtask at 2015-10-11 03:04
はっちゃん
おはようございます。 医療に対する考え方、色々な部分で違うと思いますが、 「限られた予算」は共通していることでしょう。 日本の様に待っていれば、診てもらえて検査も受けられるのは、素晴らしいことだと思います。 ここでは、ファミリードクターがいることが基本ですが、その医者が足りないのです。 緊急であれば、救急車で病院に行けますが、「ちょっと調子がおかしい」ぐらいが、 一番難しい状態かも知れません。 私も検査を受けたくない方ですが、血液検査だけ位なら、 1年に1回受けてもいいかなと思っています。
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