ひとり言 バンクーバーの街路樹

最近放映されたNHK「世界ふれあい街歩きーバンクーバー」は、街の人達と短い会話をしながら街の景色や人々の生活を描写していくので、視聴者自身がバンクーバーを散歩している気分になれると、評判が良いようです。私はその番組を見ていないので、NHKのHPでこの番組の説明を読んでみました。
「今回歩いたのはダウンタウン。バラード入り江と、イングリッシュベイに南北を囲まれた幅約2キロ四方の地域です。すぐ近くには400ヘクタールの森が広がるスタンレーパークがあります。街の歴史をひも解くと、バンクーバーが栄えるきっかけとなったのは、ゴールドラッシュ。1856年にフレーザー川の下流で金が発見されて以来、人々が押し寄せ、たちまち豊かな街に変貌しました。その後、1885年に、カナダ横断鉄道が開通すると人口が増加し、今も当時の面影が残るウェストエンドの高級住宅街もできあがりました。」

今私が住んでいるところは、まさにそのウエストエンド。でも私が住んでいるウエストエンドは高級住宅街というより、古い建物が建つ中流が住む雰囲気の街。アパートやハウスは新しいものはほとんど無く、50年以上経っている建物も多いのです。私が住んでいるアパートも築30年以上、それでも私は新しい近代的な高級住宅地よりも、この古い街が気に入っています。利便性や眺望は他の地域でも得られますが、他では得られない歴史と古さがここにはあるのです。どっしりした古い建物はもちろん、大きな樹木、これは歴史のある古い住宅街だからこそ存在するものだと気が付きました。勿論他の地域にも街路樹は植えられていますが、街が新しいと木は若く大きく育っていないのです。大きな樹木に育つまでには、長い月日が必要。19世紀、ヨーロッパからの移民がこの街を作ったときに植えた街路樹は、彼らからの貴重な遺産だと思います。
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7月末、ダウンタウンで38℃という異常高温を記録した時、我家の室内は30℃で留まりました。暑い日差しの日中でも、このウエストエンドの街の大きな木の下を歩く時、暑さを全く感じません。それがダウンタウンの中央部に出ると、強い陽射しを遮る日蔭がないのです。街路樹はあるのですが、ウエストエンド地域の木の大きさには敵いません。
朝、バルコニーに出ると、大きな木々で浄化された空気を感じます。そしてアパートの玄関を出て歩道の降りると、森の匂いを嗅ぐことができるのです。この周辺は7~8階の建物の高さぐらいの街路樹に囲まれているからだと思います。もしかすると、バンクーバーが世界一住み易い街だと評されるのも、街路樹が大きな役割を担っているのかも知れません。いつも花にばかり目が向いていたのですが、この猛暑をきっかけに、バンクーバーの街路樹について調べてみました。
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バンクーバーの景観を彩る街路樹(street trees)は約12万本以上あり、Vancouver Park Board(公園育樹局)が計画的に育樹事業を継続、街路樹の樹高・種類・樹暦などの詳細な情報をデーターベースに収めているそうです。
また、毎年多くの要望や意見が市民から寄せられてきますが、木が倒れて通路をふさいだり、大きな木の枝が折れていたりすると、はしご車のような車が来て即日対応するのです。また木の根が歩道のコンクリートを押し上げても、木を切り倒したり撤去はしないで、歩道の形を変えても樹木を保護するとか、剪定も、電線や電話線・家屋に枝がさわらないように、人々の生活と木との共存を図っているそうです。
また樹木は朽ちても、人の役に立っているのです。 枯れた落ち葉を肥料にしたり、剪定された樹木の枝をチップ にして、そのチップを林道や散歩道に敷き、足に優しい遊歩道を作るといった具合です。

シャンソンに歌われるパリの街路樹より、バンクーバーの街路樹ははるかに多いそうです。人手とお金をかけて街路樹が大事にされているバンクーバーですが、経済的な波及効果は、街路樹にかかる年間予算よりも大きいと言います。私達住民は、その恵みを色々な形で日々受けているのです。




7月5日付けの私のブログで、夏に白い花が咲く街路樹の話を載せました。その名前がようやく判明。バンクーバーの街路樹を調べていて、辿り着いたのです。
その名は、Catalpa(カタロバ)キササゲ族(Bignonia Family)、ノウゼンカズラ科の植物でバンクーバーには4種類あるそうです。
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Vancouver Park Board の説明によると、「その花をよく観察すると、外見は小さな欄のよう、その香りは夜の香り、見た目と香りで二重に楽しめる植物です。
バンクーバーのCatalpaはアメリカの中・南部を原生とし、30~100feetにまで成長します。
木の寿命は150年ほどで長くはありませんが、その木の美しさと、驚くほど大きくて特徴のある形の葉、優雅な花の香りが、木の下を通る人々を喜ばせています。」

3年前、移住して間もない夏、白い花が咲く木を見てその大きさに驚き、道端に落ちている花の形に目を見張り、南国的な妖艶な香りに酔ったのですが、3年間、その名前を知りませんでした。今年の夏、ようやく名前がわかって、落着いた気分になれたのです。
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by amtask | 2009-08-16 16:37 | ◎ ひとり言 | Comments(9)
Commented by rabbitjump at 2009-08-18 14:01 x
古いものを大切にする心がどんなにかすばらしい事かが
年を重ねるごとに感じます、建物、人、木々のすばらしさを。
街路樹は浄化作用をしてくれる上、暑い日には優しい涼しさを
いっぱいプレゼントしてくれるのですね。
カナダの大木は貴重な存在ですね。
日本の小さい街路樹でさえ、陽の強い夏には有難い存在です。
12日ごろから日本もやっと青空が見えるようになりましたが
朝夕はもう秋の風です。

お花の名前がわかってつかえていたものが取れたような
気分でしょうか^^よかったですね。
Commented by 浮遊子 at 2009-08-18 23:26 x
NHKのこの番組 全部ではないのですが 見ました♪
バンクーバーのダウンタウンはガラスが林立するビル群にびっくりしましたが
どうして ガラスのビルが多いのか?という問いに
街路樹をガラスに映して 2重の緑を楽しむため・・とビルを設計
していた人が答えていました。
amtaskさんがお住まいのウエストエンドは ダウンタウンよりも もっと
街路樹が多く 人と木々の共存を大事にしているのですね。
切られた枝の利用法まで考えられているとは 素晴らしい試みだと思います。
日本の都市計画は?と思ってしまいます。

白い花をつける見事な街路樹 ノウゼンカツラ科なのですかヽ(*゜∀゜*)ノ
お花の美しさ 香りの良さと何と素晴らしい木なのでしょう。
名前がわかって良かったですね♪ 教えてくださり有難う(^-^*)ノ

Commented by amtask at 2009-08-19 01:40 x
rabbit さん
おはようございます。
より良い住環境に、樹木がどんなに大切なものか、今年の夏の暑さで
実感しました。もっと遡って考えれば、100年も前にこの街を作った
人達のヨーロッパの移民が賢かったということでしょう。
カタロバ、日本では見たことがありませんが、探せばどこかにあるのかもしれません。不思議な木です。名前がわかってよかったです。

バンクーバーは最近お天気が良く、少し夏が戻ってきたようです。でも
空気は、秋の涼しさです。

Commented by amtask at 2009-08-19 01:54 x
浮遊子さん
私もこの番組見たかったです。
確かに、外壁に鏡のようなガラスを使った建物をよく見かけます。
そのガラスに、隣のビルが映って不思議な光景です。
でも地震があったら大変!と考えるのは、日本人だからでしょうか。

ダウンタウンとウエストエンドは道1~2本で隔てられているだけ、大きな樹木に囲まれた築50年~100年の建物の次の区画に、ガラスの高層建物が建っているというぐらい近いのです。狭いところに古さと新しさが共存している箱庭のような町です。

白い花の木、ノウゼンカツラ科とわかりましたが、この種類の木、他にどんな植物があるのでしょう。
Commented by はっちゃん at 2009-08-19 11:51 x
NHK番組、残念ながら見落としました。
大きな街路樹のある町ってとても素敵ですね。
・・・人手とお金をかけて街路樹が大事にされているバンクーバー・・・
日本では、落ち葉が苦情の対象になって、トラブルが多いようです。
国民性でしょうか? 寂しい話です(~_~;)

白い花の名前、わかってよかったわね\(^o^)/
ノウゼンカツラと言うと、つるになって下がっている花が多いと思うけど、この白いカタロバはつるではなさそうですね。
Commented by amtask at 2009-08-19 14:52 x
はっちゃん こんばんわ。
この番組、私も見てみたかったです。バンクーバーの中でも一番身近な地域なので・・・
大きな街路樹、はじめて見たとき、その大きさに驚きました、人が快適に暮す環境を作ってくれるのを実感したのは、最近です。

白い花の木(Katalpa)、Wikipedia(英文)で調べてみました。
Trumpet vine family に分類されていました。vineは辞書で引くと「蔓のある植物」とあります。確かに、一見蔓ではないように見えますが、花が散った後はインゲン豆の鞘を長くしたような実がなります。
白い花がどんな風に咲いているのか、木が大きすぎて見ることができません。花は道に落ちているのを拾ってきて写真を撮りました。
Commented by amtask at 2009-08-20 00:45 x
はっちゃん:追伸です。
白い木の花(Katalpa)は、スペルが間違っていました。
正しいのは、(Catalpa)です。失礼しました。
Commented by ishmatu at 2009-08-21 10:42
賑やかなゲイパレードから一転、自然が一杯のバンクーバ。
amtaskさんもさぞ忙しいでしょうね。楽しそうな顔が目に浮びます。
街路樹といってもずいぶん大きそうですね、それに白い花が咲くとか。
なにか凄い夢をみているようでこちらも楽しませていただいています。
次のバンクーバは何かな?(*^_^*)石
Commented by amtask at 2009-08-22 05:59 x
石さん こんにちわ
街路樹、本当に大きいのです。毎日が森林浴、それに花も豊富。
紫陽花も未だ咲いています。
次は何でしょう。もう落ち葉が散り始めている木もあるので、秋の話題
かしら。夏と秋が交互にやってくるような季節です。
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